狂愛マリッジ

あたしは、散らない

学校を辞めるのは逃げなんだ。

じぶんで蒔いた種を回収することのできないあたしは、都合の悪い環境から離れることで事態を鎮火させようとしている。

でもね、退学はあたしが結婚に近づくための大きな一歩でもあるんだよ。
学生でいたら、最低でもあと2年間は結婚できないもん。

これからあたしは孤独と決別し、大きな幸せを手に入れるために仕事にも恋にも全力を尽くすんだ。

あたしはいつもみんなの中心でキラキラ笑ってるサヤの姿を思い浮かべ、あたしもそうなりたい、って心から思ったんだ。

机の上には「男の落としかた」「愛され女子の100カ条」といった恋愛指南書が山積みになっている。

近い将来きっと役立つ。

朝日が部屋を照らすまで、あたしはバイブルを読みあさった。