狂愛マリッジ

いつかあたしも

入学式を終えて教室に入ると、そこには40人分の白い簡易テーブルと椅子が均等に並べられ、風船で囲まれた黒板の中央では「入学おめでとう！！」とド派手に装飾された頭の悪そうな文字が自己主張していた。

あたしは教室を見渡すと、窓側の後ろから2番目の机にバッグをおいておもむろに席へついた。

目立つ奴は窓側の後ろの席って、相場で決まっているからね。
一番後ろの席をとらなかったのは、ホンモノにやっかまれたら恐いからだ。

一息ついて教室を見渡すと、あたしのように一人の子もいれば、すでにグループになっている子達もいる。

早く友達をつくらないとまた孤立しちゃう。

焦りを感じていると

「ね、ねぇ……。あんたもデビュー組……だよね? ト、トモダチにならない?」

ボソボソとした声が頭上から聞こえてきた。