いつかあたしも

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声の主に視線を向けると、やたらと鼻の穴がデカい、金髪ショートカットの女が口角をひきつらせながら、歪んだ笑顔を向けていた。 緊張からだろうか。そのカラダは小刻みに震えている。 うわー 友達になろうなんて初めていわれたよ。 だけど"嬉しい"と感じるより先に、この鼻子に言われた「デビュー組」という言葉が引っ掛かった。 コイツにはあたしがデビューだってバレてる? いや。今日のあたしは完璧なはず。80点だけど。 万が一バレていたとして。 コイツもデビュー組ならいろいろとわかりあえるかもしれない。 あたしの初めての友達にふさわしいのは、この鼻子みたいに冴えない女なんだろう。 あたしはもう一度鼻子の顔をまじまじと観察した。 毛穴の開ききった肌に、ニキビの跡。 その上から覆ったファンデーションが粉を吹いている。 目はタレ目の一重で、人相も悪い。 そうだ。あたしはこんなジーミーズから脱するために進学したんだ。たとえここでコイツとつるんで孤独から解放されたとしても、それはあたしが望んでいたものとはまるで違う。 あと3秒気づくのが遅かったら「あたしなんかで良ければ喜んで」とか言ってたんだろうな。あっぶね。 あたしは気だるそうに机に伏せると、鼻子に向けて威嚇した。
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