0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いらっしゃいませっ!」
「いつも元気だねぇ、陽ちゃんは」
常連さんのおばあさん。
この人が並んでくれると 心がなごむんだよなぁ…。
「おばあちゃんに元気 分けてあげようか?」
「ううん、いらないよ。 陽ちゃんの笑顔が見れたら おばちゃん元気になれるから」
「そっか...じゃあずっと笑っててあげる ねっ!」
「ありがとうね」
笑顔でおばあちゃんを見送ったあと
私はカウンターに戻って 仕事を終えることにした
「お疲れさまでしたっ!」
「「おつかれー」」
従業員の皆に挨拶したあと
外に出ると、チラチラと 粉雪が降っていた。
電灯の光に当たって 降る雪はとてもきれいだったが
ただとても寒かった。
「うぅ...寒い..」
手に息をかけながら 店の裏に回り、裏口から店に入った。
「んっ、もう終わったのか?」
「はい、今日はこの時間まででして」
この人はこの店の店長で いまはこの人「達」と暮らしている。
「あれ?奏太達は?」
「あっ?今買い物に向かってるみたいだ ぞ? もうすぐ帰ってくると思うがな。」
その言葉が言い終わると同時に 女性と子供が入ってきた。
「たっだいまー!」
「奏太と女将さんおかえりなさい」
「ただいま」
そう、いまの私はこの「家族」で 暮らしている。
最初のコメントを投稿しよう!