始まりは

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次の日の昼休みー わらわらと私たちは尾澤の席の周りに群がっていた。 その中には、クラスの男子のリーダー格である世田やその他の男子達もいる。 私以外の女子は気さくに周りの男子とお喋りをしてたけど 私は真ん中でうつ向いている尾澤にまっすぐ進んだ。 「ねえ」 背中に少し触れる ん、と無愛想に尾澤は顔をあげた 髪の奥から覗く目にはあまり光がなくて なんだか、…どぎまぎする。 「…あの、…アドレス、交換しない?」 なるべく愛想よく、少し微笑みながら携帯を差し出す あぁ、いいよ。 と彼も携帯を出し、赤外線通信。 感謝とあとでメールをすることを手短に述べると ん、とそっけなく返され 私はほんの少しの達成感に包まれながら自分の席に戻った。 ー放課後ー 残りの二時間を終え、早急に帰宅 部屋にはいると すぐにベッドへ倒れこんだ。 …あ、制服。 折角の可愛い制服がグシャグシャになってしまう。 ラフな格好へ着替えると もう一度ベッドへダイブ、 深く息を吐く。 バタンとわざと埃がたつように仰向けに体位を変え、 もう一度深呼吸。 携帯を取りだし、画面を開く。 アドレス帳から“尾澤"という文字を探す。 …あ行の末にあった。
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