始まりは

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返信。 ………… あれ、おかしいな… 返事が来ない…。 ……… まずかったかな…、 何となく罪悪感。 携帯を閉じようとする… と 『返事遅れた。 考えてみてもわからんかったわ』 と案の定な返事 『なんだよー、 わかんないのかよー。 たくさん付き合ってるから 分かってるのかと』 と少し皮肉っぽく返してしまう。 と、 あちらも皮肉に気づいたようで… 『じゃあ、… と冒頭あのメールに戻るわけでして ほんとに些細な好奇心だったと思う。 ありきたりな言葉 それしか出てこなかった自分 納得してない言葉でよかったのか… ぼぉーと暗くなった液晶を見つめる。 瞬時にパッと白く光って、震えて、メロディが鳴る。 メールを開く。 『そういうもんなのか、 でも、それが思い込みだったとしたら 俺さ いやなんだよ思い込みで 好きになって付き合っちゃうとか ちゃんと好きになって付き合いたい それが相手に対する礼儀であると思う』 …私の胸中を見透かしたかのような どんぴしゃな内容に またまた衝撃。 そして初の長文。 なんだか、最後の文にグッとくる。 ─こんな同じように考える人は…初めて… 『確かに…、思い込みとかは虚しいよね。 なんか、いいこと言うね!笑 私、正直 尾澤のこと、人としてめっちゃ好きだわ』 気持ちが昂っていた。 でも、本当に人間として 面白いと思ったのは事実だ。 こんなに自分に似た考え方をする人に 心地好さを覚えるとは思ってもみなかった。 □送信画面□ 好き発言にきっとビックリしたに違いない 返事が遅い。 ティンティロティ~ 10分以上経過して ようやく携帯が鳴る。 『おお、ありがとう。 初めて言われたは 山伏は好きな人とかいないわけ』 意外な質問だ。 いないよーと絵文字を着けて答えた。 なんだか盛り上がりも徐々に収まり その日は終わった。
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