46人が本棚に入れています
本棚に追加
返信。
…………
あれ、おかしいな…
返事が来ない…。
………
まずかったかな…、
何となく罪悪感。
携帯を閉じようとする…
と
『返事遅れた。
考えてみてもわからんかったわ』
と案の定な返事
『なんだよー、
わかんないのかよー。
たくさん付き合ってるから
分かってるのかと』
と少し皮肉っぽく返してしまう。
と、
あちらも皮肉に気づいたようで…
『じゃあ、…
と冒頭あのメールに戻るわけでして
ほんとに些細な好奇心だったと思う。
ありきたりな言葉
それしか出てこなかった自分
納得してない言葉でよかったのか…
ぼぉーと暗くなった液晶を見つめる。
瞬時にパッと白く光って、震えて、メロディが鳴る。
メールを開く。
『そういうもんなのか、
でも、それが思い込みだったとしたら
俺さ
いやなんだよ思い込みで
好きになって付き合っちゃうとか
ちゃんと好きになって付き合いたい
それが相手に対する礼儀であると思う』
…私の胸中を見透かしたかのような
どんぴしゃな内容に
またまた衝撃。
そして初の長文。
なんだか、最後の文にグッとくる。
─こんな同じように考える人は…初めて…
『確かに…、思い込みとかは虚しいよね。
なんか、いいこと言うね!笑
私、正直
尾澤のこと、人としてめっちゃ好きだわ』
気持ちが昂っていた。
でも、本当に人間として
面白いと思ったのは事実だ。
こんなに自分に似た考え方をする人に
心地好さを覚えるとは思ってもみなかった。
□送信画面□
好き発言にきっとビックリしたに違いない
返事が遅い。
ティンティロティ~
10分以上経過して
ようやく携帯が鳴る。
『おお、ありがとう。
初めて言われたは
山伏は好きな人とかいないわけ』
意外な質問だ。
いないよーと絵文字を着けて答えた。
なんだか盛り上がりも徐々に収まり
その日は終わった。
最初のコメントを投稿しよう!