闘伝ノ一 荒野の二人

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ジマジュウも動きを止めてそちらを向いている。危険を感じたのだろう。 後ろをゆっくりと顔だけ動かしながら声の主を確認する。 白いボロ布を全身を覆い隠す様にまとっている。体格から見て男と女だろう。 男が前に立ち睨み付けながらジマジュウに殺気を放つ。 ボロ布の男が視線を向けないままこちらに話しかける。 「ボーッとするな。今のうちにこっちに来い。」 「まだ中に人が!」 「わかっている。中の二人はもう助けた。」 見ると親方も愛華さんも既に男の遥か後ろに横たわっていた。男と一緒にいた女もすぐ脇に立っている 「いつの間に…?」 おそらく女が助けたのだろう いつの間に助けたのかより、何故気付けなかったのかが不思議だった。 男を無視して二人のもとに走る。 二人とも気を失っているだけの様だ。 よかった、と安堵のため息をこぼす。 「これからどうなるんです?」 横に立つ女性に訪ねる。 「まぁ、見てなさい。」 女性はとても落ち着いた声で答える。
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