闘伝ノ一 荒野の二人

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町まであと一時間位の所でライオは「何か」の気配を感じた。 とても危険な気配だ。方角もはっきりしているし徐々に近くなっている。 ヤバい!! 思った瞬間にライオはアクセルを思いっきり踏み込んだ。 巌は突然の加速に驚いてライオに顔を向けた。 「巌さん!何か…何か来てます!5時方向!」 「盗賊か!?」 ライオのこういう言動には信頼がある。 以前は盗賊の待ち伏せを予感し、町のギャングの抗争に巻き込まれそうになった時も、いち早く気づいて社員全員を逃がした。 「多分違います。でもヤバいです。でかい!?」 突如、地面から地響き。地中にデカイもぐらがいるようだ。 ズゴゴゴッズゴゴゴゴゴゴ…………ガガン! 急に地響きが止まる。静寂の中二人は顔を見合わせる。 ガリガリガリ…………バッガア!!!!! 地面が爆発する様に吹き飛び「ヤバい気配」の主がその姿を表した。 ライオは後ろを振り向かずに必死な顔でハンドルを左に回す。 巌は地面から飛び出した巨大な生物(?)をみた瞬間、目が点になりあごは外れそうな程開いた。 天国の父と母と愛犬げんの顔が頭をよぎる。 ライオはこの時初めて鳩が豆鉄砲をくらった顔というものを見た!!
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