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町まであと一時間位の所でライオは「何か」の気配を感じた。
とても危険な気配だ。方角もはっきりしているし徐々に近くなっている。
ヤバい!!
思った瞬間にライオはアクセルを思いっきり踏み込んだ。
巌は突然の加速に驚いてライオに顔を向けた。
「巌さん!何か…何か来てます!5時方向!」
「盗賊か!?」
ライオのこういう言動には信頼がある。
以前は盗賊の待ち伏せを予感し、町のギャングの抗争に巻き込まれそうになった時も、いち早く気づいて社員全員を逃がした。
「多分違います。でもヤバいです。でかい!?」
突如、地面から地響き。地中にデカイもぐらがいるようだ。
ズゴゴゴッズゴゴゴゴゴゴ…………ガガン!
急に地響きが止まる。静寂の中二人は顔を見合わせる。
ガリガリガリ…………バッガア!!!!!
地面が爆発する様に吹き飛び「ヤバい気配」の主がその姿を表した。
ライオは後ろを振り向かずに必死な顔でハンドルを左に回す。
巌は地面から飛び出した巨大な生物(?)をみた瞬間、目が点になりあごは外れそうな程開いた。
天国の父と母と愛犬げんの顔が頭をよぎる。
ライオはこの時初めて鳩が豆鉄砲をくらった顔というものを見た!!
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