第1章 

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「・・・・・そうかあ・・・」 今のはかなり傷つく。 私にとって、人前で泣くなんてのは、プライドを1000000あるうちの 100000.5くらい削られたっておかしくないことなのに。 「ま、お前って完璧主義者っぽいとこあるもんな」 「んー・・・そう?まぁ言われなくもないんだけど」 「てかお前さ、なんで水瀬と仲いいの?」 これは結構驚いた。 いきなりそんな質問されても。 「・・・・ん~・・・・・・・・?なんでって言われてもなぁ・・・なんとなく?」 「なんとなくって」 「・・・・いや、本当に。そこまで深い理由があるわけでもないし・・・」 「・・・・・・・・ま、・・・・そんなもんだよな」 ・・・・? そう、呟くように言った輝の言葉は、どこか裏があるようで、気にならなくもなかった。 すると、ピーっと、先生の笛が鳴った。 「集合ーっ!!!」 「「「「...はいっ!!!...」」」 校庭の中心に、裸足で駆けだしたとき。 私の本当の夏は、始まろうとしていたのだった。 ***
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