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もっと早く君を好きになっていたらと、
後悔することがたくさんある。
もっと早く君を好きになっていたら、
今まで以上に仲が良かったかもしれないのに。
***
中学二年生、二学期。
一年で、一番長いこの学期。
始業式は、それはそれは憂鬱だった。
これから体育祭の練習や、委員会や、
部活がまたあるんだと思うと、夏休みが恋しかった。
毎日パソコンをして、一人でやりたい放題、遊び放題。
あの時に戻りたい。
このころはそう思っていた。
完璧な非リア充で中学二年生の、速水綾は。
綾は、ネットが大好きで、
漫画の男の子や二次元が大好きなほど、
非リア充だった。
それもそのはず、周りの男子は馬鹿ばかり。
いい男子なんて、一人もいないのだから。
そして、綾の周りには、仲のいい子がふたりいた。
藤谷亜衣、水瀬寿々。
この三人は、二年生になってからとても仲良くなった。
亜衣とはもともと仲が良かったのだが、
寿々は綾と仲良くなったのをきっかけに、
亜衣とも仲良くなった。
むろん、この二人も非リア充・・・
といえば非リア充だったが、綾ほどではない。
しかし、綾もこの二人の親友に恵まれ、
嫌いだった学校がだんだん好きになってきていた。
・・・・でも、この二人以上に、
学校を楽しいと思わせてくれる人間がいたことを、
綾はまだ知らなかった。
それが、大嫌いな男子だということも。
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