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「何だと!?星野、伝えなかったのか!?」
「えっと、伝えました――――」
「いーえ先生、僕らは何にも聞いてませーん。星野さんはウソをついていまーす」
「そ、そんな・・・!!」
「星野・・・、お前のことは見損なった。もういい。私が伝える」
「・・・・そ、そんな、織田先生・・・!?」
「なんだ、速水」
・・・・・・
「・・・な、なんでもありません・・・」
・・・そんな、星野さんにそこまでするなんて・・・!!
すると、そのとき。
ガラガラガラ、と教室の引き戸が開いた。
「授業中すみません―――・・・織田先生、USBメモリー貸していただけませんか」
・・・・輝?
すると、輝は私が見ているのに気付いて、他の皆には気付かれないように、口元を緩ませた。
私も少し笑って、なんだかさっきの嫌な気持ちとは一転、ほんわかした気持ちになった。
「・・・・失礼しました」
ぴしゃり、と引き戸が閉まる。
「・・・八木ってば、津川のことずっと睨んでたよ」
好乃が、こそこそ話で伝えてきた。
「・・・うん・・・」
八木とは、星野さんをいじめている奴らの、中心になっている奴だ。
「・・・・・・早くクラス替えしたいな」
そう言った好乃の声は、かすかにふるえていた。
***
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