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私は、なんとなく寿々と輝を見て、
嫉妬してしまった。
なんでだかは、分かんなかったけど。
「・・・・どしたの!?」
「・・・・あ、ごめんごめん・・・
私、トイレ行くから・・・!」
「・・・?うん」
亜衣からそそくさと離れて、
トイレに急ぎ足で入った。
「・・・・・」
水道台に取り付けられた鏡に映る、
自分の顔を見つめた。
・・・・
なんか、今までの顔と、ちがう。
可愛くなったとか、そういうんじゃなくって。
・・・・
なんか、・・・・・あの人に恋をしていた、
小学4年生の時の顔に戻ったような。
「・・・・なに、思っちゃってんだろう」
なんか、5,6時間目の組体操の時間が、ちょっぴり憂鬱に思えた。
***
「・・・・綾、帽子いらないんだよ?
それに、靴下脱いで、
水筒とタオルもってけって先生が・・・・
って綾!?」
「・・・・・・・!!あ、はい!!?ああっ、
全然違うカッコ・・・!ありがとう寿々!」
「・・・・なんか、今日の綾おかしいよね?」
「・・・うん。寿々もそう思う?」
「うん。・・・いや、
あれはあの漫画のことじゃないよ、
きっと・・・」
「亜衣もそう思うか・・・んー・・・・」
「「恋しちゃったとか!?!?!?!」」
「・・・・・・・(笑)!!」
「んー、ありうるけど・・・ある?てか誰?」
「んんー・・・・
綾と特別接点のある男子って言ったら・・・・」
「同じ委員会の・・・・」
「玲?・・・あれはないでしょ」
「んじゃあ隣の」
「・・・・・・・・・・・・・村重って」
「「ないよなぁ・・・」」
「ど、どうしたの二人とも!?
なんで行かないの!?先生に怒られるよ!?」
「綾待ってたんだよ!!!」
「あえ、あ、あ、ありがっととう・・・」
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