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シ「あ…あれは…!」
ヴ「轟竜、ティガレックス…。」
雪山の上空を滑空し、迫って来ているのは…
巨大な体躯、ティラノサウルスのような顔。…目を赤く染め、久し振りの獲物に興奮している…
ク「ティガレックス…?」
ヴ「こっちだ!」
ヴィンセントが、洞穴からよんだ。
ユ「なんでだよ?戦わないのかよ!?」
シ「バカ!殺されるだけだぞ!」
そういって、ユフィを抱えて走る。
何とか全員洞窟に逃げ込んだ直後…
どしゃああぁん
洞窟内に音が反響して鼓膜が破れそうだ。
シ「奴…体当たりを繰り返してやがる…!」
グアアアァァァ!!!
外では、怒り狂った轟竜が吠えている。
ク「何なんだよティガレックスって!」
シ「この辺りを徘徊してる怪物だ!あんなのにつかまったらお終いだぞ!」
ク「お前らでも倒せないのか?」
シ「さっきのとはレベルが違う!…まずいな。このままだとここも持たねぇぞ…」
ユ「おい!みんな!」
シ「なんだよ!静かにしてろ!」
外の声に負けないような大声でシドは怒鳴った。
ユ「何だと!人がせっかく大発見したのに!」
シ「オメーの発見はろくだったためしがないぜ!」
ユ「ふん!これをみてもまだいうか?」
そういうユフィの手には、緑色の小さなボールが3つ握られていた。
シ「!!モドリ玉!!バカオメーそれを早く言え!でかしたぞ!…っだめだっ!3つしかねぇじゃねーか!もっとねーのか!」
ユ「もうないよ!ここの奥に落ちてたんだよ!」
シ「なにを…
ドガシャアアアァァン!!!!!!!!!!
轟音と共に、洞窟の壁が崩れた。吹き上がる粉塵の中から、奴が起き上がり、牙を剥いた――――――――――――――――――――――――――――――
そのあと、どうなったかは分からない。気付くと、家のベッドに寝かされていた。覚えているのは…。
あの銀髪の男が、あの竜を一撃で切り捨てた事だけだった…。
間違いない。奴はこう言った。
「俺の名は…
…セフィロス」
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