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「──殺せよ」
陽介は覚悟した。
瞳に写したのはあまりにも最悪な世界。
瓦礫と化したいくつもの建物。
燃え盛る街。
地割れの起きた道。
挙げればいくつもの異端が広がっていた。
だが、陽介にとってはそんなことはとるに足らない。
とるに足るのは、一人の少女の存在だった。
ドレスなのか甲冑なのか判断がつきにくい服装を纏う少女。
世界全てを睨みつけるように鋭い眼光を放つ、金色の髪を持つ少女。
彼女の存在は、この世界にとって異端すぎた。
絶対的に美しい。
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