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「いやね、この機体状態でよく言えたなっ、て思って」
咲は目線を右側に向け、それに釣られ陽介も視線を飛ばした。
「あっ……」
そこには、配線が剥き出し、弾倉から装填される弾丸がジュツのように連なり、外に出るゴテゴテとした銃身の長い銃が台の上にあった。
だが、それは決して人間には、地球の生物には扱えないもの。あまりにも大きすぎる。
まるで戦車の砲芯を無理やり銃の形に変えたようだ。
しかし、陽介たちが注目したのはそんな明解なものでなく、その銃身の先にある小さな傷だった。
特段、機能を損なう程ではない。単なるひっかき傷。
「こんな傷を付けてるのに、よくカッコイい台詞を言えたじゃない?」
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