1人が本棚に入れています
本棚に追加
……
10秒ほどの静寂。
――と、ここで聖子さんが静寂を破った。
「えぇと、なんかこんがらがってきちゃってるし、ジコショーカイしましょっ!ねっ!?ね!?」
と、半ばムリヤリすることになってしまった自己紹介…
「じゃあまず私ね、聖子です。真希ちゃんと純ちゃんの新しいママになります。得意なことはバドミントン!!好きなことはバイキングに行くこと!!よろしくねー!!」
聖子さんは、若いOLさんのようなテンションで、自己紹介をした。
「ハイ、じゃあ次はパパね。どーぞっ!!」
聖子さんにエアマイクを差し出され、焦っているパパ。
「え!?え~…ゴホン、英一です。淳君と 君の新しいお父さんになります。見ての通り、スポーツ専門店NAKAMINEの社長をしています。」
パチパチと一人一際大きな音を出して拍手している聖子さん。
「ハイ、じゃあ次、淳ね!」
「え!?俺かよ!?」
コクコクと笑顔で頷き、淳を促す聖子さん。
「えー…っと…、せき…あ!…っと、淳…です。16。高1。部活はバスケ部。よろしくお願いします…おら、次、お前だぞ!!真人!」
と、横にいる真希より少し身長の小さい、幼い面立ちの少年を小突きながら言った。
どうやら淳は、こういうことが苦手なタチらしい。
「弟の真人です。中2で、兄貴と一緒でバスケ部に入ってます。腕前は、一年で時々選抜レギュラーにレギュラー入りしたくらいです。よろしくお願いします。」
へぇ、兄弟そろってバスケかぁ…
しかも、2人ともかなりの美少年だ。
そこらの下手なアイドルよりは明らかに上だ。
そんな事を考えていると、自分にも火の粉が舞ってきた。
「はい、次は真希ちゃんね!」
げっ!!
あ、今の「げっ!!」って聞こえちゃったかな…?
まぁ、とりあえず形だけでしとかないとな…
「真希です。16で、高1です。純の姉で、部活は入ってません。得意なことは料理です。よろしくお願いします。」
と、無難に乗りきれた。
純のことについて何も突っ込んで来ないってことは、聞いてるんだろうな。
聖子さんから。
私は、そんな事を考えていた――
最初のコメントを投稿しよう!