第一章 せめて平穏で居させてよ!

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そうこうしているうちに、食べ終わり、学校へ行く時間になった。 「じゃあ、あたし部活の選定するから、早めに行くね?」 どうやら、花鈴は沢山の部活に勧誘されているらしい。 なんでも、その卓越した運動能力は、どの運動部のエースにも匹敵するだとか。 「ん、じゃあ、僕もそろそろ出るよ。行ってきまーす!」 「いってらっしゃ~い」 母さんに挨拶をして、家を出る。 ドアを開けると、丁度、愛川さんがいた。 「あ、おはよう!」 「あ、うん、おはよう!」 「で、考えは纏まったの?」 「うん、やっぱり、お礼がしたい!」 「あ、そうなんだ、じゃあ、頑張ってね」 そう言うと、彼女はムッとして言った。 「他人事みたいに!あの場に君がいたのも私ちゃんと見てるんだからね!」 え!? 「それってどういう!?」 「そのままの意味だよ、じゃね!」 そういって、そのまま彼女は走り去っていった。 ~2ーB教室~ ざわざわ、がやがや。 クラスの騒がしさなんか気にしているほどの余裕はなかった。 「おっす!おはよう河流!」 【ガラガラガラ!】 「よし、今日は、全員出席だな」 ちょうど、返そうと思った瞬間、先生が入ってきた。 というか、なんとも適当な出席確認だ。 「うむ、今日は授業初日だ。気を抜かぬようにな。あぁ、そうだ、今日は学級長を決めるからな、今のうちに推薦や、立候補は決めておくように!」 そう言って、先生はどこかへ去っていった。 「ショートホームルームって、こんなに早いのか?」 「さぁ?」 疑問の残るSHRだった。 ~昼休み~ 授業が面倒だった。 なぜよりによって、僕が4教科連続で当てられなきゃならないんだ? 「ブハハハハハッ!とんだ災難だったな!」 「うるさい!笑うな!」 今は、授業の前半が終わり、昼休みで、前と後ろで机をくっつけて和也と一緒に弁当を食べている。 「あら?私を忘れてるの?」 心を読んだかのようにタイミングよく話しかけてくる愛花。 「ふふっ、さぁ、どうかしらね?」 『オイオイ、気持ちわりぃよ!オレ見られてるかも!?』 『なら、話しかけないでよ!引っ込んでて!』 いつも唐突に話しかけてくる“彼”は、とんだ気分屋さんなのだ。 「まぁ、そんなことより、早く弁当食おうぜ?腹へってしょうがねえよ」 和也の腹がクルクル音をならしている。 「さて、みんなのお弁当は…………………うわぁ!愛花の美味そう!」
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