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和也の声を聞き、愛花の弁当を覗いてみると、確かに美味しそうな弁当だった。
「うん、確かに美味しそうだね!自分で作ったの?」
愛花は、小さくうなずいた。
「ふーん………………愛花ってさ、いいお嫁さんになりそうだよね」
「だってよ、愛花?」
愛花は、ずっとうつむいて、顔を真っ赤にさせている。
「ありゃ?怒らせちゃったかな?ごめん!」
『とりあえず謝っとけっていう精神が許せんよオレは!』
『だから、何でいちいち出てくるのさ!?』
『そりゃねぇぜ相棒!オレ達は一心同体、発言したいときには出てくるのさ!』
『もう、好きにしなよ!ただ、結構無視するかもだからね!』
『ああ、結構結構!構わねぇぜ!』
「あれ?和也のお弁当はコンビニ?」
「あぁ、ちょっとお袋、風邪気味でな、弁当作ってる余裕は無いんだと」
「うわ………………春先の風邪は厳しいよね…………」
弁当をつつきながら話を進める。
「河流は、あ~んとかされたいって思ったことないのか?」
急に和也が、変なことを言ってくるので、どもってしまう。
「な、なんだい急に!?僕にはソッチの気は無いぞ?」
「あぁ!?ちげぇよ!俺がされたいから、お前もどうなのかって聞いただけだよ!」
「あぁ、そういうことね…………う~ん………………まぁ、ちょっとは羨ましいかな」
「そうかそうか!やっぱりそうか!同士だな!」
和也は、満足そうに頷いていた。
「だってさ、愛花はあ~んしてあげたいって言ってたよな?」
「ちょっと!やめてあげなって!」
なんとなく雰囲気を察したので、止める。
「思い違いかもしれないけど、僕なんかにそんなことしても、なんの得にもならないよ?と、いうか、愛花には、好きな人いるんだから!」
「(はぁ………………この鈍感は!もういっそ潰してやろうか?)」
「何か言った?」
ボソボソと言われても分からないだろうに。
「ん?あぁ、別に、何でもない」
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