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「て………きて……………起きて…………起きなさーい!」
【ボフッ!】
「グフッ!いたた………………おはよう花鈴(かりん)って!どんな状況!?」
おはようございます。はじめまして、僕は成角 河流(なりかど かわる)と言います。絶賛理性がピンチの真っ最中です。
「あ!おにぃ!また昨日も眼鏡掛けたまま寝たね!?」
「いや、別に良いだろ?それより、今日は入学式でしょ?早く行かなくていいの?」
時計を見ると、デジタル表示で、8:00と書いてあった。
入学式は8時半、家から学校まで徒歩で約30分。
ギリギリな時間だった。
「え!?もう8時!?どうしよう!遅刻しちゃう!」
「さ、早く行きなさい」
「ん~!もう!しょうがない!お母さん下でご飯つくって待ってるから、じゃね!」
彼女は真新しい制服を翻し、長い黒髪をなびかせながら、下へ降りていった。
いきなりこんなにどたばたしてしまって申し訳ない。妹は15歳で、僕は16歳。
両親が再婚して、お互いの子供は一つ屋根の下、兄妹として生活するようになったが、彼女は僕のことを兄として認めたがらず、色んな事があったが、それはまた別のお話。
そして、彼女は僕と同じ高校“私立 牡丹高校”を志望して、今日から同じ学舎の中で生活を共にすることになる。
さて、そろそろ僕も学校に行かなくちゃ。
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