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どうしよう?自分で自分を探す約束なんかして、確実に達成できないじゃん!でも、“へる部”の評判は下げたくないし………………僕のバカ!
『ん、あのさぁ、手伝おうか?』
『どうするの?』
『オレがあいつの前に出てって、お礼をしてもらう。んで、後は眼鏡だけ返してもらってオサラバってのは?』
『ん、そうだね…………それがいいかも……?』
そうして、頭の中で問題を解決している内に、愛川さんはどこかへ行ってしまった。
【グイグイ…………】
なんだか、裾を引っ張られたので、振り向くと、陽菜が頬を少し膨らませていた。
彼女は、無言のまま人差し指をテーブルの方へ向けた。
「ん?早く作業を再開しろと?」
彼女は、なにも言わず、コクコクと頭を縦に振る。
「しょうがない、もう少しで終わりそうだったし、ここからスパートかけちゃおうか?」
「ん………………」
彼女は、コクリと大きく頷いた。
「これさえ終わればゆっくり解決していけばいいから、頑張ろうか!」
とは言っても、僕の頭の中では、ずっと愛川さんとのやり取りをどうしようかという考えしか入ってなかった
『まぁ、なるようになるさ!相棒!』
『けど、この作戦は、あまり早くにやると、怪しまれるよね?』
『ん?ああ、そうだな、三日ぐらいかけた方がいいんじゃね?まぁ、オレはいつでも出られるけどな!』
『いいんだよ、君は出番はなかなかなくていいんだから!』
『そうかい………………』
「ん………………終わった………………」
ふと、陽菜の方を見てみると、確かに片付いていて、綺麗になっていた。
僕の方はまだ一部残っている。
「………………手伝う………………?」
首をちょこんと傾げながら尋ねてくる陽菜はとてもかわいくて、こんな可愛い娘に手伝いをさせたくなくなった。
「いや、たぶん一人で大丈夫だと思うよ」
すると、今度はショボンとした顔でちょっと俯いてしまい、罪悪感を感じた。
「えと、じ、じゃあ、ちょっとお願いしようかな?」
すると、彼女は、パアッと笑顔になり、残ってた書類の半分くらいを持っていく。
僕も負けてられず、すべての依頼に目を通した。
【バン!】
暫くすると書類が片付き、待っていると、にこにこしながら和也が戻ってきて、扉を勢いよく開けた。
「おう!ただいま!いや~………………大変だったよ、まさか麗華が高所恐怖症だったとは思わなかったわ」
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