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それは初耳だな………………
「なっ!それは言わないと言ったではありませんこと!?」
「ん?言ってないぞ?そんなこと」
もめているが、これもいつものことなので放置でいいだろう。
「あれ?すげぇ!あの書類の山が仕分けられてる!」
「まぁ、僕達二人に任せれば、こんなもんだよ」
陽菜は、コクンと大きく頷いた。
「へぇ、地味な二人も使いようってことですわね」
「おいおい、そんなトゲのある言葉じゃなくて、普通に誉めたらどうよ?」
「ふ……………ふん!知りませんわ、そんなこと!」
【ダッ】
「あっ、おい!」
僕達の視線に耐えられなくなったのか、麗華はどこかへ行ってしまった。
「ふぅ………………まぁ、あいつもきっと、悪気があったわけじゃないと思うから、あんま、真に受けるなよ?」
「わかってるさ、今日に始まったことじゃないしね」
「ん………………」
麗華がいなくなったので、僕たちもじきに解散になった。
~碧海市/街中~
僕は、部活が少し早く終わったので、街に繰り出した。
と、偶然街をブラブラしている麗華を発見した。
ここで声をかけても、何を言われるかわからないので、放っておくことにする。
今は、建設工事中のアパートの隣を歩いている。
ふと、上を見ると、クレーンにくくりつけられた鉄骨が落ちそうになってていてその先を麗華が歩いている……………………
【ブチッ………】
ロープの限界がきたのか、鉄骨が落ちてくる。
“僕”は戸惑っていて、何をすればいいのか分からない。
『悪ぃ!相棒!体借りるぜ!』
【ガッ!カラカラカラカラ………………】
僕の右手は、眼鏡を勝手に弾き飛ばし、僕の意識は完全に“俺”へと切り替わった。
「間に合ええええええ!」
麗華を、抱いて、飛んだ。
【ガシャン!ガラガラガラガラ!】
けたたましい音をたてて、5M程後ろに鉄骨が落ちた。
「な、ちょっ、どこをさわってますの!?それに、貴方は誰ですの!?」
俺は麗華を地面に立たせる。
「んなこたぁどうでもいいんだよ!もうちっと周囲に目を向けてくれませんかね?」
「ふん!知りませんわ」
「そんな態度じゃあ、いつまでたっても知らないままだぞ?」
「う………………うう…………」
なんか俯き始めて、肩をプルプルと震わせて………………怒らせたか?
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