序章 捲し立てることほど良くないことはない。

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【バタバタバタ!】 「おはよう母さん!ご飯は?」 「あら~やっと起きたんですね~おはようございます~ご飯ならテーブルの上にありますよ~」 この間延びした感じで話す人が、成角 華菜(かな)さんだ。僕の父さんと結婚して、新しい母親になってくれた人でもある。美しい黒髪にスッとした顔立ち。まぁ、息子の自分が言うのもアレだけど、美人なのだ。 その遺伝子を受け継いだ花鈴だってとても美人で、中学の頃はモテていたらしいが、全て断ったらしい。何故だろう? それはさておき、言われた通りテーブルの上を見てみると、食パン、目玉焼き、ウィンナー、サラダと、マーガリン、牛乳がおいてあった。 僕は新入生の歓迎会とかは関わっていないので、ゆっくり歩いて学校まで行ける。 と、食事を終わらせ、玄関を出て右を見ると、隣の家が完成していた。 突然建ったわけではなく、元々建設中だったのだ。中から人の声がするし、もう住んでいるのだろう。 「へぇ、この家、完成したんだ!帰ったら挨拶に行かないとな」 ここは、海の見える町、蒼海市(あおみし)。 あまり大きくはないものの、毎日潮のにおいを嗅ぎながら、せわしなく人々は暮らしている。 ~牡丹学園/廊下~ 道中の海がとても綺麗だったため、見とれていたら意外にも時間を食ってしまった。 二年生のクラスの組分けが各教室のドアの上に張り出されていた。 「えっと、僕のクラスは………………」 あ、あった。2ーBらしい。 僕は、意を決して扉にてをかけ、開けた。
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