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中学三年生になったばかりの4月。
一応受験生にはなったが、志望校がぼやーっと見えているくらいのころ。
「なーんかさぁ…三年になったからって新鮮味がないよね。クラス全員去年から見てる顔だし」
前の席に座っている由花がぼやいた。
私の通っている学校は、二年生から三年生になるときにクラス替えがない。
なんでも二年間同じクラスの方が思い出深く残るからだそうだ。
「まあいいんじゃない?いきなりクラス替えしてそんなに仲良くない友達と修学旅行いくよりかは」
「まーね。せっかくなら香凛といきたいしねー」
「嬉しいこといってくれるなぁ…残念ながらポケットにはさっきかんだ鼻水ティッシュしかないや」
「捨ててこい」
由花とは去年クラス替えをして出会った。
彼女はとてもさっぱりとしていて、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いといえる性格なので
周囲からはズバズバ言いすぎで少し浮いている存在と聞いていたのだが、なにぶん私も彼女と同じでズバズバ言ってしまう性格なので意気投合するのに時間はかからなかった。
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