第一話

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しかし今、 二人は紛れもなく険悪ムードなのだ。 その原因は、99%キョンの高校にある。とあたしは思う。 「飯だぞ」 キョンが部屋に入ってきた。 「うん。あのさ、キョン」 「なに」 キョンはドアノブに手をかけたまま振り向いた。 「明美ちゃんと、どうなの?」 キョンの顔が一瞬ひきつった……ような気がした。 「どうって…続いてるよ」 「かろうじて?」 「まぁな、お陰様で」 「ふぅーん…なら、いいけど」 「心配?」 「別に」 「早く別れろって感じ?」 キョンはイタズラっぽく聞く。 「んなわけないじゃん、応援してますよ」 「頼りない応援ですねぇ」 「うるさい」 「飯が冷めるぞ」 「お腹減った」 「俺も」
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