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1階へ降りて行くと、ちょうど父が帰ってきた。
「おかえりなさいパパ」
「ただいま。恭平くんただいま~」
「おかえり!おじさん」
キョンはあたしの父の事は『おじさん』と呼ぶ。母の事は『お母さん』と呼ぶのに。
「お、ミミも帰ってきたのか、ん?」
父が猫のミミを抱き上げようとする。
でもミミは父よりキョンが好きみたいで、父の手をヒラリとかわすとキョンの膝の上という、もはや定位置に飛び乗った。
「ミミ~父さんにもなついて欲しいなぁ」
キョンはミミを抱き上げ、父の方を向かせる。
「お前のご主人様はこの人だぞぉ」
キョンがそう言ってミミの顔をのぞきこむと、ミミは気だるそうに「ニャァ」と鳴いた。
母が笑った。
父も笑ってキョンも笑う。
つられてあたしも笑う。
父、母、あたし、キョン。それから猫のミミ。この四人と一匹での食事。
いつもこんな風に、我が家は平和だ。
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