学園でのひととき

3/14
前へ
/29ページ
次へ
「まあ、なんかありゃー、誰かが連絡寄越すだろ。 今日は終わり! さあ、散った散った~」 「「「へーい」」」 手をヒラヒラさせ、だらりと教卓にうつ伏せる担任、ガーデに慣れた生徒たちは、さっさと荷物をまとめて帰って行った。 先程の古代史で出された課題、翻訳本が図書塔にあったな……と考えていたリューは、友人の声に顔をあげた。 「なあ、リュー。 課題どうする?」 「どうって?」 前方の席より、カディがアワアワとしながら駆け寄って来るのをみて、リューは首を傾げた。 「オレ、歴史苦手なんだよ~。 マジ古代史ヤバい!」 「なんでさ。 苦手って、苦手のレベルが違うだろ?」 常に学年トップ3に不動で名を列ねるカディの台詞は、何が言いたいのかさっぱりだ。 ◇◇◇ 12歳から入学できるこのサイジンラ学園は、設立当初から「優秀」な人材を育てるため、優秀な子どもであれば身分を問わず入学できる。 特に平民は、優秀な成績を修めるなら、特待生として様々な特典(授業料無料、学食無料など)を受けられる。 カディは、それらの優秀な人材を抜いて通年トップ3ランクインを守り抜いているのだ。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

172人が本棚に入れています
本棚に追加