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眼前に在る筈の覗き穴は 何故か見下ろす先に 嘲笑うように大きく口を開け 驚いたことに 私自身である其れを 当然の如く 外の世界へとくわえ込んでいたのだった。 茫然と其の風景に微睡む私の耳に 聞き覚えのある声が掠めていく。 まぁあなた! 趣向の無さにうんざりだったとはぼやいたけれど こんなところから楽しもうだなんて 子供じみた悪戯の過ぎる人――
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