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「きゃー、最終バス出ちゃう!」
クラスの女子が時計を見て叫びました。
その日は文化祭の準備で忙しく遅くまで学校に残っていました。
この文化祭は毎年夏休み明けの9月に行われます。
夏休みが明けて、休み明けのテストがあって、とスケジュールが割とキツキツでこの日はクラスの残れる人だけでクラスの出し物用の展示をつくっていたんです。
うちのクラスは明るくて、元気のいい人も多いので学校一のものをつくるんだーとか言って盛り上がっていました。
そして楽しくおしゃべりをしながら作業を進めていたら位いつの間にか下校時刻を過ぎてしまっていました。
「え?!急ご急ご!」
私たちは急いで帰り支度を始めました。
私達が通う高校はちょっと田舎にあり、私はバス通学をしていました。
「じゃあね!また明日!」
「うん!バイバーイ!」
笑顔で校門で友人たちと別れ、急いでバス停に向かいました。
バス停に着いたのはバスの到着予定時刻の3分前でした。
実は平日に帰りがこんなに遅くなることなど普段めったにないのでそのときこの最終バスに乗るのは初めてでした。
バス停に着くとありえないほど丁度いいタイミングで携帯が鳴りました。母からの着信でした。
「もしもし。」
「もしもし?いまどこ?」
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