赤い携帯電話

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「ねぇ、美和ー! 今日カラオケ行かない?」 「え?行く行く!」 放課後。 あたしは友達の真弓と そんな会話をしながら歩いていた。 「あ。でも、 悠真くんとこお見舞いに 行かなくて良いの? 今日風邪で学校休んでたでしょ?」 悠真とは、 付き合って1年のあたしの彼氏。 「あー、うん。 朝からメールしてんだけど 返事こないんだよね。 酷いのかもしれないし 今日は辞めとく…」 「そっかー… なら、悠真君には悪いけど 今日は楽しんじゃおう!」 「そだね! ――――…あっ、」 丁度校門を出た時、 あたしは携帯を机の中に 忘れてきた事をふと思い出した。 「ごめん!真弓! 携帯忘れてきたから ちょっと待ってて!」 「え?うん」 あたしは、真弓が 頷いたのを確認すると 校舎に向かって走って行った。
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