第1章 驚愕と絶望

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石畳の地面に無数の亀裂が大尉を囲むように広い範囲に渡って走り、黒い影が地面を突き破って土や砂利を纏って一斉に吹き上がった。 見なくてもわかる。 今回の任務の目標。 掃討すべき対象。 吹き上がった土埃の間をすり抜け、大尉はすぐさまその場から離れる。 あの場所で囲まれれば思うように動けない。 少し離れた場所で重心を落とし、「そういうことか」と地面に潜んでいるかもしれないという可能性に気付かなかった自分に苦笑いをする。
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