第1章 驚愕と絶望

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スルトに胸ぐらを掴まれて刃を喉に突きつけられる状態で上を向いて喉を晒しているロイスが 声を発した。 「何っ!?」 苛立ちを隠せず 聞き分けの無いロイスに怒りの表情をぶつける。 「制府が相手でも 俺が…なんとかする!」 そう言い放つと ロイスの喉に突きつけていた軍刀の刃を握り それを力ずくで喉から離した。 思った以上に力が強い。 「なんとかするだと?出来もしないくせに、何言ってる!命乞いでもして生き永らえる気か!」 「違う!」 「じゃあ死ぬのか!」 ぐっと軍刀を握る腕に力を入れる。 だが刃を握られていてピクリとも動かせない。
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