第1章 驚愕と絶望

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それは ロイスに力負けをしているわけでは断じてない。 もし力ずくで押したりしようものならロイスの手を切り落としてしまう。 「違う!命乞いもしねぇし、死にもしねえ。誰も傷つけねえ!」 「お前っ!」 こいつはどうしようもない馬鹿のようだ。 少しは話を理解できる奴かと思っていたが、軍の人間の忠告に耳を傾けようとしないのだから これ以上はどうしようもないのか と その時だった ピコンピコンと聞き覚えのある呼び出し音のような音が耳のすぐ側から聞こえてきた。 それがなんなのか理解するまで時間はかからなかった。 無線だ。
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