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「ほら、やっぱり右は居場所に帰る道じゃなかったのだよ」
そういって、真ちゃんはひだりのみちをすすみだしました。
かたてに…にんぎょうをもちながら。
だいじそうに、バスケットボールをかかえたまま…。
そして、
「…!」
みちのさきに、まんめんのえがおでおおきくてをふるしょうねんのすがたがみえました。
それだけみて、真ちゃんはあんしんしました。
「ほら、やっぱり左で合っていた。」
そうおもって、はしりだしました。
しかし、
はしりだしたときに、
ズルズル
ズルズル
というおとがきこえたのにきづいて、ふりかえりました。
しかし、そこにへびのすがたはありません。
「…真ちゃん?」
「!」
「なんかあった?」
「……蛇の這うような、音が」
「………。…って、あー!! 俺がなくしたと思ってたバスケットボール!」
「来る途中に、転がってきたのだよ」
「マジか! あんがとな、真ちゃん!」
「…礼を言うのはこっちなのだよ」
「え?」
「…なんでもないのだよ」
にんぎょうをひきずったまま、真ちゃんはあゆみだしました。
しかし、やはりはうおとがきこえ、なんどもなんども
ふりかえりましたが、そこにはだれもいませんでした。
「…ところで、真ちゃんはなんでそんな赤い人形にぎってんのさ?」
END
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