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陰。
ありとあらゆる現象に対してその黒幕となるもの。
例えばいきなり抜き打ちテストがあったり生涯孤独だと思われた担任に急に彼女ができたりかといって自分にもできたりするといった現象。
これらの自分に関係することからどうでもいいことまですべての物事の裏にいるのは陰というものである。
そんな陰が最近俺の近くにいる。
ちなみに今の自分に彼女はできていない。
「……ぃ、…ぉい、……おい起きろ!!」
「ふぇっ!?」
授業中に居眠りしていた俺は何者かの声に起こされた。
しかし周りの生徒は真面目に授業を受けてるor居眠りしている人ばかりである。
じゃあ何でそいつらがこちらを見ているかって?
それは俺が変な声出して起きたからだよ。悪いか?
では結局誰が俺を起こしたがって?
「おい、いい加減起きたか?てか何回俺はお前を起こさないといけないんだよ。お前についてから授業中起こす必要の無かった日があったかよ?」
この口達者なやつこそ俺を起こした張本人である。
そしてこいつこそ[陰]というものである。
しかしこの[陰]というものは普通は人間には見えない存在である。
じゃあなんで俺には見えるかって?
んなのしらねぇよ。逆にこっちが聞きたいわ。
---16年前
というより俺が生まれたときである。
実はこの頃から俺は[陰]が見えていた。
しかしそれが俺にはごく普通のことに思っていたためそれが普通でないことにはそれからさらに6年後のことである。
さらにそれから9年後。
高校入試のために若干[陰]の存在を無視しながら受験勉強をしていた俺の前に突然1人の[陰]が現れた。
ちなみに[陰]の数え方が『~人』なのかどうかはさらに1年たった今も分かっていない。
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