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「それじゃアナタもその[陰]という者の一人なんですか?」 俺が聞くと相手は「あぁ」と答えこう続けた。 「俺は空耳の陰のキキだ。」 これが今から1年前に俺とキキとの出会いであった。 とはいえ実際文字のみでは分かりにくいと思うが、この時の俺は唖然としていた。 今までに全然触れていなかったが、このキキという[陰]の姿は175cm以上はあるだろうと思われる身長に頭には黒いシルクハットみたいな帽子に黒いジーパン(?)と黒いTシャツ(?)に黒いロングコート(これは間違いない)という服装。例えるならばイギリスにいそうな紳士の格好であるが、名前は前述のようにキキである。 あまりにもギャップが大きすぎると人間というものは反応ができなくなってしまうらしい。 まさに俺がそういう状態であった。 もちろんこの件に関しても今は理解している。 逆に理解できていないなら今頃まともにキキと呼べていないだろう。 まぁこの物語書いて4ページ目にして未だに呼んだところが書かれていないけどね。 さてそろそろ俺の名前も気になるところだろう。 ということで舞台は俺とキキが出会った1年前から今に戻すとしよう。 ------ はい戻ってきました。 さて今更ですが俺の名前は… 「おい詩音。俺は音楽室でテキトーに音楽でも聴いてくるぜ。」 ……… 「キキ、今俺の名前呼ぶなよ。俺が自己紹介する前に名前が出ちまったじゃないか。」 「あ?なんのことだ?」 「……何でもないから音楽室でも体育館にでも行ってください。」 小声でやり取りする俺とキキ。 授業中に一人でべらべらしゃべられると気持ち悪いしね。 空耳の陰は見方によっては音楽の陰見たいなものなのでキキはなにもないときはほぼ音楽室にいます。 さて邪魔者も消えたところで俺の名前は影山詩音(カゲヤマ シオン)。普通は見えないはずの陰が見える点を除いてはごく普通の高校1年生である。
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