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少年はいま入学式で、学校での式の代名詞ともいえよう校長の長話をパイプ椅子に持たれ、やる気のなさそうに聞き流している真っ最中である。
長い…と早く終われ…の二文字が彼の脳内を占領する。
最初の10分くらいは彼も真剣に聞こうとしたが、何を話しているかわからない喋り方と、何が言いたいのかわからない話の内容と、校長の顔が正に校長だったのが、彼の集中力を奪った。
「……ですので、えー、これから頑張ってください、えー、これでね、えー、私のね、話は、えー終わりです」
やっと終わった…
彼は解放感からか、欠伸をした。が、喜びも束の間、次は生徒指導の先生からの話が始まった。
生徒指導の先生は意外にも若い女の先生だったが、厳しそうな顔だったので納得。
「諸君!入学おめでとう。今から私はこの学校の説明をさせてもらう」
油断しきっていた俺は最初の「諸君!」の所で肩を大きくビクつかせた。
あの低く、鋭い声でしかもマイクが無くとも体育館中に響くような大声で危うく彼の心臓は止まりそうになった。
だが、彼女の声は温かみがあり、生徒指導者としては完璧だと思う。
そして、彼女が話した内容を簡単に纏めると、まず、この学校では回復系、戦闘系、補助系の参系統の能力者の育成をするらしい。
参系統というのは、回復系の超能力を持つ能力者[回復系]と、戦闘向きの超能力を持つ能力者[戦闘系]と、補助に適した超能力を持つ能力者[補助系]の超能力を大きく三つに分けたときの全ての超能力のこと。
つまり、この学校では全ての系統の能力者を育成してくれるらしい。
まぁ系統ごとに授業内容は全く変わってくるだろうが。
だが、戦闘系と補助系は授業での試合の時に一緒になるらしい。
俺、小野友輝(おのゆうき)の超能力は多分何系でも無いだろうと思う。
何故なら俺の超能力の名は"願えば叶う"という名前で、一応強くなりたいとは寝る前に一回は願っているが、一回も叶ったことはない……
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