memory.

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「………立てる?」 「…………う、ん…」 ハンカチを握った手で起き上がる俺を支えて立たせてくれる。 転んで土まみれになったまっさらな制服。 その子はハンカチを膝に乗せると 自分の手が汚れることも気にせずに必死に土を払ってくれる。 まだ大粒の涙が溢れ、小さな肩をしゃくらせながら その溢れる涙を握った拳の甲で拭う。 「………あ、ダメだよ?手に土が付いてるから目にバイ菌が入っちゃう」
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