第1わん

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「……唯?」 俺は、唯に声をかけた 「犬之介………本当なのか?」 不安そうに見上げてくる唯 「違う」 俺は、はっきりと目を見て答えた 唯はしばらく俺の目を見つめたあと 「爽は最低だな!!友達に嘘つくなんて!!爽何て大嫌いだっ!」 唯は野村にそう言って走って行った 「唯!!待って!」 野村は唯を止めようと手を伸ばしたが唯の足は速かった 「……野村……俺何かしたか?」 野村は唯が去った方向を見つめながら 「どうして?」 「……前と…俺と態度違うから……」 「…君には分からないよ………好きな人に気に入られたくて今までのは全部捨てた…唯が欲しいと言えば何がなんでも手に入れた……要らないって言えば捨ててきた……それなのに…たくさんのライバルが…増える……もう、どうしたらいいんだ……」 野村は泣き始めた よく分かんねーけど……野村は唯が好きってことか?…… 「……よく分かんねーけど……野村はそれで幸せだったのか?」 「は?……幸せに決まってるじゃん…」 野村は目をゴシゴシと擦った 「……本当に?唯が来るまで大切にしてるのを捨ててるのに……幸せなのか?…もちろん唯が来なければ何て言うつもりは無いぞ!」 俺は慌てて言い訳をした 「それは……」 「……言葉が詰まるってことは…幸せじゃなかったんじゃないのか?」 「…………」 野村は黙ってしまった 「とりあえずさ……ゆっくり考えてみたら?」 野村を一人にさせようと思い俺はその場から去った
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