欠けた月

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ーーーー。 ああ、そうだ。 私は母に期待されそれに応えることに依存してたんだ。 母は私に期待する事で私を思うように動かしてたんだ。 いい子にいい子になるように。 自分が出来なかったことを娘に身代わりにさせるように。 現に今。私は母の期待を抜いたら、私の意志なんてない。 私はーーー。 私自身はーーー。 空っぽなんだよ。空っぽなんだ。 なんてそっくりなんだ。 私は母になんてそっくりなんだ。 母も自分がなかった。 そうなかったから狂った。 狂ったからこそ…私という娘を手に入れたからこそ… 母は狂った中身をもつことになった。 母から私を抜いたら。 それこそ何も残らない。 母が生きている理由。 私に期待し期待し期待する事。 母自身なんてとっくに無くなっていた。 母と私は依存して生きている。
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