宗主国(そうしゅこく)

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 信託統治とは、その地域の人たちに自力で自前の国家を運営できる能力がないので、国際連盟がどこかの国に頼んで独り立ちできるまで面倒を見させる事。この制度は戦後も国際連合に受け継がれて、北マリアナ諸島は現在は米国の信託統治領になっている。首都はサイパン島。今でも日本人に人気の観光地で、現地の人の対日感情もいい。  サイパンで対日感情がいいのは、台湾と同じで比較的人道的な統治を行い、台湾でも行った日本風の名前への改名などを強要したりしなかったかららしい。  第二次世界大戦中に米軍がサイパン島に侵攻したが、この時にサイパン在住だった日本人が大勢、自ら海岸の崖から飛び降りて自決した、という最期も現地の人たちには「なんと潔い!」と映ったらしい。その崖は今でも現地では「バンザイ・クリフ」と呼ばれている。
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