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制服に着替え、鞄を持って部屋を出る
そして未だに騒いでいる隣室なんて無かったんだ…
無かったに違いない…
1階に降りると台所で母が弁当を作ってくれていた
「お早う、今日も来てたよ」
言わずもがな朝の騒動のことだ
「みたいね。あんまり騒がないで欲しいんだけど…」
私の母こと、鈴原 綾子(スズハラ アヤコ)は困ったように嘆息する
私の容姿は間違いなくこの人の血を強く引き継いでいる
勿論兄は父の血を、だ
母も少しおっとりな所を抜かせば私同様平凡である。
しかし、どういった訳か学生時代に父に惚れられた
(父は所謂王道主人公だった)
迷惑なことに、父の取り巻きと陰ながら好意を寄せていた女子から嫌がらせを受けていた
事なかれ主義の母だが、父の鈍感さや周りの身勝手から溜まりに溜まったストレスが爆発。
堪忍袋の緒が切れた結果、教室を1つ犠牲にして丸く収まったらしい…
その事件に関しては父も口をつぐむ程だ
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