始まりの衝撃

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  「またツマラン者を蹴飛ばしてしまった……」   またなのである。 実は輝は喧嘩っ早く気に入らないものには容赦が無い。   水面には沈んでいった男性が放つアブクがブクブクと浮んできている。   澄んだ湖面を覗き込むと藻掻いている男性が見えた。どうやらカナヅチの様で今にも力尽きそうである。   「ったく…」チッと舌打ちをすると徐に飛び込む輝。   ヒンヤリとした湖の水は泳ぎの得意な輝でも凍えそうで急がないと輝迄ヤバくなる程だ。   水中の為、話せない輝は男性を後ろから抱え込む様にして一気に湖上を目指す。   因みに男性は既にグッタリしている。   湖上から顔を出し大きく息を吸うと抱きかかえている男性に声をかける   「おい!大丈夫か?」   男性からの返事は無い。気を失っている様なので地上迄引き上げ、地面に横たわらせる。   軽くペシペシと男性の頬を叩きながら再度声をかけるも反応は無し。   全く気が進まないが輝は意を決して人工呼吸を試みようと男性に目を向ける
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