同窓会

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【直ぐに会えるから……。泣くな】 心が痛む。 奥深い場所に眠る、幻のような声が蘇るたびに。 落書きされた机……文房具などで文字を彫るのが当時流行っていたのは今から五年前の話で。 それらが刻まれた机に指を這わせた真奈は、懐かしむように目じりを下げた。 「真奈ちゃーん……。感傷に浸ってるとこすみませんが、たまにはこっちに戻ってきて下さいねー」 「……感傷って」 「あながち外れてないでしょ!?引きずってんの、まだ」 「昔の話だから」 「でたでた!!強がり」 「……そんなんじゃなくて」 「じゃあなによ」 「……ぅっ」 口では勝てない……毎回だが。 真奈は、由貴の鋭い言葉の数々に苦笑いを浮かべるしかなかった。
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