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苦い経験。
と言えば、言われればそうなのかもしれない。
引きずっている。
そう捉えられるのなら、そうなのかもしれない。
「今日、あいつ来ないつもりか?」
「知らねぇよ?携帯に連絡しても折り返しねぇもん」
「でたな、気まぐれが……。忘れてたわとか言って明日にでも連絡くるんじゃね
?せっかくの同窓会だっていうのに……」
耳に入る二つの声。
見れば数年前まで男子だったその姿は、男性に変わっていたが、ロッカーに座る癖や机に座る行動は変わらず、真奈は二人の会話を耳にしていても。
一瞬、横目にいれた目線は違った。
一番後ろの角の席……。
空白を守り続け、彼らが座る机をただ横目にしていた……。
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