プロローグ

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秋は儚く短い だがその儚さゆえに木々は紅葉色に染まり鮮やかに短い時を彩る輝きとなる だが輝きを失えばそこには何も残らない しかし秋になればまた輝ける でも冬が過ぎなければ春も夏もこない 今ここにふたつの紅葉が散ろうとしていた 片方は散り、片方はおわることのない冬のなかで輝きを失い続けていた そんな中でも紅葉をつける木々は枯れない 冬は寒い 彼の心の冬は終わりを告げてまた輝けるのだろうか?
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