プロローグ

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 人は大昔に本来は使えない力を使えていて、それでいて常に進化していて、その過程として環境に適応した姿が今の有様であって何が言いたいかと言えば――― キーンコーンカーンコーン…  今は昼休み、木陰で寝ていた俺は思考を中断して立ち上がる。たったそれだけの動作で目眩がする。 「人間はこんなにも弱いんだよ」  ボソリと先の続きを呟く俺は傍から見れば痛い子何だろうが、いたって真面目だ。そう、真面目だ。何故二回もいったかというと、本気でそう思っているからだ。  立ったまま動かない俺の頬を風が撫でて行く。  あ、因みにこの風を発生させたのは俺だから。いやマジで。 「風よ…!」  手に神経を集中させると、掌に微かな風が集まってくる。様な気がする。  でも実際は自然発生した風だったり、りきんだ時の熱が自分の鼻息を敏感に感じとっただけという悲しい結末なのだ。  つまり、いくら頑張っても最終的には魔法を使えるどころか魔力を感じる事は無く、有ろうことか自分の鼻息を魔法と勘違いしてしまうのがオチである。  そこまでわかっていても自分を魔法使いと疑わない奴は童貞(30)か厨ニ病患者しかいない。
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