12章

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「ヴァンパイアを統べるものがいる以上、まずはその主とやらをなんとかするのが定石でしょうが…。まずは主が誰なのかを特定する必要がありそうですね。」 そう言う彼の目には強い意志が込められているように見えた。 彼の目には光が宿っている。 決してなにかを憎んでいる者の目ではない。 そんな彼の様子を見た私は、かねてから疑問に思っていたことを聞いてみることにした。 「貴方はなぜヴァンパイアを討伐しようとしているのですか?私には、貴方の動機が故郷での出来事の憎しみを晴らすためだなどとは到底思えないのです。」 私の言葉を聞き終えた彼はまっすぐに私を見据えると、今まで以上に真剣な顔をした。 そして、十分な間をおいて、ゆっくりと重い口を開きはじめた。 「僕が故郷から逃げ延びた夜、女神様から天啓があったのです。不死の魔物を浄化せよ、魔物が従えし哀れな人形たちを浄化せよ…と。そして、このロザリオを賜りました。」 そういうと、彼はポケットをごそごそしはじめた。 大切そうにポケットから取り出されたのはロザリオだった。 それに、そのロザリオには見たことのある装飾が施されている。
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