かくれんぼ

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 あれ以来、学校中であの洞窟の幽霊の話しが広まっていた。 最初は清志のことを馬鹿にする笑い話だったのだが、しだいに尾ひれがついて、本当に幽霊が出たとか、血まみれの女が追いかけてきたとか、誰かが幽霊に殺された、という驚くような話しにまで発展していた。  その話が大きくなるにつれ、かくれんぼに参加する人数も日ごとに減っていった。清志もあれから参加していなかったのだ。 「なあ清志。お願いだから参加してくれよ。メンバーが足りないんだ」  清志を誘うケンの言葉が、以前よりも優しくなっている。もちろん人数集めのためだ。 「だって僕、臆病者だし、嘘つきだし……」  清志はわざと言ってった。 「嘘かどうか分からないよ。そんなことより、今日のかくれんぼ、参加してくれるよな」  清志はしぶしぶ立ち上がった。  今では恐怖心よりも、仲間はずれにされる淋しさと、嘘つきだといわれる悔しさだけしかなかったのである。  開き直ったおかげか、今日はすんなりとジャンケンに勝つことができた。  清志は一目散に林の中に走りこむ。すると……。 「こっち、こっち! 早くおいでよ!」
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