いざ、町へ行かん

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――――――――――――――― 【カイムside】 カイム「ん………知らない天井だ」 目が覚めると、俺は見覚えのない天井を見ながら布団に横になっていた。 布団から起き上がり、よく周りを見渡してみると、そこは昨日、一晩を過ごした集落の一室だった。 カイム「……どうやら昨日の異世界トリップ冒険物語は夢ではないらしい」 ……元の世界に戻る方法もわからないし、そもそも死んでしまったために元の世界に戻れたとしても帰る場所もない。 ………もはや、この世界で骨を埋める覚悟を決め、少しずつこの世界に適応していくしかない。 俺はそうやって、昨日の夢のような出来事が現実であると受け止め、顔を洗うために部屋を出る。 井戸の場所は既に把握している。 井戸の水で顔を洗い、部屋に戻って服を着替える。(いつの間にか昨日、集落長に渡していた服が洗濯されて置いてあった) そして、昨日、集落長からもらった代えの服を手に、俺は広場へと向かう。 すると、そこには既に集落長のアラン、馬車を引く商人のケルト、護衛のクロードが居た。 アラン「…おや、これはカイム殿。おはようございます。…只今、お迎えに上がろうと思っていたところです」 カイム「ああ、おはようアラン殿。…この召し物、助かった」 俺はそう言って手に持ってきた服をアランに手渡そうとするが、アランに止められる。 ―――――――――――――――
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