2人が本棚に入れています
本棚に追加
一人の人物が街へと続く道を歩いていた。
その見た目はフード付きのマントで隠れていてよくは見えないが、おそらく15,6ぐらいの少年だろうか。
間から見える黒い両目は人懐っこい感じを与え、僅かに見える茶髪まじりの黒髪は旅でボサボサのようで口元はスカーフで覆っている。
ついでに背中に差している剣は東の方にあるという刀(カタナ)と呼ばれる部類で、おそらく護身用だろう。獣や盗賊が出る旅暮獣や盗賊が出る旅暮らしならば当然である。
そんな少年が溜め息を吐きながら、ぼやいた。
「はぁ・・・。よーやく、街が見えてきた・・・・・・」
発言に疲れが見えるのは、それだけ長い間旅をしていた・・・という事だと思われる。
しかし、それに加えて少年の場合、なぜか盗賊や魔物がやたらと襲い掛かってきたので、それらを撃退していたから・・・というのもあるだろう。
「これは何かのイヤガラセなんだろーか・・・一日で着くって言ってた街に、なぜか一ヶ月も掛かるなんて・・・」
その嘆きたくなるような考えを振り払うとするが、再び溜め息を吐いてしまう少年。
が、次の瞬間には気を取り直したようで明るい調子に変えて。
「まっ、そんな事よりも街に着けただけでも良しとしようかなっ?」
気を取り直した少年は街に向かって歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!